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2021.04.13

返事ひとつで関係が変わる

今回のコラムを担当します、株式会社SSブレインの関 美分と申します。

今回は2週間の新人研修で伝えている「仕事の型」について、より具体的にお話しさせていただきます。

 

4つの基本行動

新人研修では、「仕事の型」で最初に基本行動を伝えています。

具体的には4点あります。

 

新人研修で伝えている【4つの基本行動】

①反応を示す(返事・うなずき・あいづち・アイコンタクト・表情)

②メモを取る

③ノートにまとめる

④翌日、不明な点を確認する

 

以上の4点です。

皆さんの中には、「そんな当たり前のこと?」と思われるかもしれませんが、この基本行動が「できている」のと、「できていない」のでは、実務の習得度合いだけでなく、何よりも周りの上司や先輩との人間関係にも大きく影響がでてきてしまいます。

では、人間関係にどのような障害が起きるのか、1点目の「反応を示す」の中から「返事」に焦点を当ててお伝えしたいと思います。

 

反応を示す

私たちが求めている返事は、「気持ちのよい返事」です。

具体的には、呼ばれたらすぐに「はい!!」と短く歯切れよく返事をする。
その時に何かしていても、ぱっと手を止めて、顔を上げて笑顔で返事をする。

私たちは仕事中に上司や先輩から声がかかることは多々あります。

皆さんは自分の名前を呼ばれたときに、どんな返事をしていますか?
気持ち良く「はい!!」と明るく笑顔で返事をしていますか?

研修の中で、実際に気持ちの良い返事をすることが、「なぜ大事なのか」ということを理解し実感してもらうために、ワークを取り入れています。
新人が先輩役、関が新人役となり、「関さん」と呼んでもらいます。
その時に、面倒臭そうに小さな声でだるそうな返事をするAさん、笑顔で気持ち良く返事をするBさん、2つのパターンを体験してもらいます。

そして、「●●さんが先輩なら、AさんとBさん、どちらの新人に仕事をお願いしたいと思った?」と尋ねると、全員が「Bさんです」と答えます。
「なぜ?」と尋ねると、
「Aさんは、すごく感じが悪くて、嫌な気持ちになりました。仕事をお願いするのがとてもしづらいし、やる気のない人に感じました。でも、Bさんはとても気持ちのいい返事をしてくれるので、気持ちよく仕事をお願いしやすいです」

分かりきったことかもしれません。
しかし、返事一つで、上司や先輩との関係性がこれだけ変わってしまうことに、新人の方にはしっかり気付いてもらいたくて必ずこのワークを行います。

言葉だけでなく、心でも理解できるようワークを取り入れる

「気持ちの良い返事をしましょう」と言葉だけの情報提供だけでなく、良い例、悪い例を見せながら、心でも理解できるように指導をしています。

そして最後は気持ちの良い返事を新人の方にやってもらい習得確認です。

「返事」と言えば簡単なように思えますが、実際とても大事なことです。
こういった「仕事の型」を伝えていくのが、指導者の大事な仕事です。

本人は悪気がなくても相手を不快にさせるような返事をしていると、「今度入社した●●さん、ちょっと感じ悪いよね。お願いしにくいな~」と勝手に誤解されてしまうのです。これこそコミュニケーションギャップです。
このようなコミュニケーションギャップを失くすうえでも、入社した時にしっかり伝えておくことが必要ではないでしょうか。

返事の他にも、うなずき・あいづち・アイコンタクト・表情がありますが、同じように情報提供と見本と実習を交えてしっかり習得ができるように伝えています。

「反応を示す」の部分だけでも20分かけて丁寧に伝えています。
20分かける効果はこの後の行動でわかります。

いかがでしょうか。新人研修の基本行動①「反応をしめす」についてご紹介いたしました。

 

この記事を書いた人
人事コンサルタント 関 美分

人事コンサルタント 関 美分

リーダー主任養成研修等、社員研修の第一人者。
25年以上の講師経歴を持つ。
クライアントの意向を研修に反映させながら、きめ細やかな指導を行なう研修スタイルは、定評があり、リピートも多い。
著書は「利益を生み出す主婦パートを育てるすごい方法」(東洋経済新報社)がある。